よくあるご質問(Q&A)
信託相談所に寄せられたご相談・照会のなかから、よくご相談いただく内容をまとめております。
ここでは、信託兼営金融機関および信託会社を「信託銀行等」としてご説明します。
なお、信託銀行等が実際に取り扱いを行う信託業務・併営業務の範囲・内容は、各信託銀行等により異なります。詳細につきましては、各信託銀行等にお問合せください。
金銭信託・貸付信託
信託商品のうち、元本補てん契約(※注)がある金銭信託、貸付信託、ビッグ等は、預金保険制度の対象となります。
なお、元本補てん契約のないヒット、スーパーヒット等は預金保険制度の対象にはなりませんは、信託財産は信託銀行等自身の固有財産とは分別管理されており、信託銀行等が万が一破綻した場合も、信託財産の状況に応じて支払がなされます。
なお、預金保険制度についての詳しい情報は、預金保険機構のホームページをご覧いただくか、お取引のある信託銀行等の窓口にお問い合わせください。
(※注)信託は実績配当(信託財産によって生じる利益も損失も契約によって定められた受益者に帰属する)が原則ですが、一部の信託商品については、元本の損失を補てんする契約を結ぶことが認められています。こうした契約を「元本補てん契約」といいます。
財産形成信託
財形年金の支払時期は、お客様(委託者兼受益者)の指定した年金支払開始日(60歳に達した日以後の日)以後、毎年一定の時期の支払となります。
財形年金の支払期間は、年金支払開始日から5年以上20年以内の期間(年数)をお客様に指定いただきます。3か月毎のお支払が一般的ですから支払回数としては21回以上80回以内となります。
財形年金の年金額は、お客様の指定した年金支払期間、年金支払方式(定額型、逓増型)に従って所定の計算方法で算出いたします。
ご指定の年金支払開始日、支払期間、支払方法は財形年金信託の積立期間中においては変更可能ですが、積立終了時期(積立期間の末日)までには確定いただく必要があります。
なお、財形年金の支払はお客様の財形年金貯蓄からの年金式によるお支払であり、公的年金等と異なり確定申告のお手続きは一切不要です。
財形年金の1回あたり年金額は、年金支払開始時点の「財形年金信託残高」に「年金支払開始日後に生じる(予想)収益」を合算した金額を年金支払総額として、お客様の指定する年金支払期間、年金支払方式(定額型、逓増型)に従って算出します。
この(予想)収益は年金支払開始日における信託配当率を参考に算出していますが、年金支払開始日後における信託配当率が大幅に低下して財形年金支払総額が減少する場合には年金額の支払をそのまま継続すると年金支払終了期間前に財形年金信託残高がなくなります(=年金支払終了)。
年金支払期間中における信託配当率の低下により当初の年金支払期間にわたって年金支払ができないことが判明しており、かつ年金支払期間が2分の1以上経過している場合には年金額の変更手続きが可能です。
1回あたり年金額の減額となりますが、当初の年金支払終了時期まで財形年金として継続することができます。
なお、残存期間、残存残高などによりお取扱ができないこともありますので詳細については取扱信託銀行等にご相談ください。
公益信託
信託商品/活用方法の「公益信託」ページに詳細を記載しておりますのでご覧ください。
公益信託には、一定の条件のもとで税制上、各種の優遇措置があります。
例えば認定特定公益信託に個人が金銭を出捐した場合には、その出捐金は特定寄付金とみなされ、所得控除(寄付金控除)の適用が受けられ、法人の場合は、一般寄付金と同額まで別枠で損金算入ができます。
また、公益信託の信託財産から生じた所得には所得税が課されません。
認定特定公益信託の認定を受けるには、信託目的が科学技術研究助成、奨学金の支給等に制限される等税法に定められた種々の条件がありますので、詳細については信託銀行等にご相談ください。
公益信託の利益を受ける方(受益者)は、社会一般ないし不特定多数の方になることから、受益者の利益を保護するため、信託契約により信託管理人が置かれます。信託管理人は、受託者の職務のうち信託財産の元本取崩し、信託の決算等の重要な事項について同意・承認を与え、受託者から事業計画・収支予算、事業報告・収支決算等の報告を受ける等の権限を有します。
また、公益目的を円滑に遂行するため、信託契約により受託者の諮問機関として運営委員会が置かれます。運営委員会は、公益信託の目的に関連する分野における学術経験者等によって構成され、受託者の諮問により助成先の推薦および公益信託の事業の執行について意見を述べまたは勧告を行います。
特定贈与信託
信託商品/活用方法の「特定贈与信託」ページに詳細を記載しておりますのでご覧ください。
特定贈与信託の受益者に対する信託財産からの金銭の支払については、税法(相続税法施行令)において「特別障害者の生活または療養の需要に応じるため、定期に、かつその実際の必要に応じて適切に行われることとされていること。」と定められています。具体的なお支払金額、支払時期については、信託銀行等にご相談ください。
特定贈与信託は、特別障害者に対する贈与税の非課税制度として、6,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。
一般に相続開始前、3年以内に贈与がなされていた場合、その贈与により取得した財産の価額は相続税の課税価額に加算されて相続税が計算されますが、特定贈与信託については、設定後3年以内に委託者に相続が発生しても、贈与税につき非課税の適用を受けた信託受益権6,000万円までの金額に相当する部分の価額は、相続税の課税価額には加算されません。
なお、信託財産から生ずる収益は受益者の所得となりますので、所得の種類に応じて所得税が課税されます。
不動産の流動化・証券化業務
不動産信託
不動産を信託すると、所有権が委託者から受託者に移転しますが、税金の上では受益者が信託財産の所有者として扱われますので、委託者と受益者が同一である場合には、所得税、法人税は課税されませんし、贈与税も生じません。一方で、受益者が委託者以外の場合に適正な対価なしに受益者となったときには、贈与税などが課税されます。
また、信託の設定により、信託の公示を備える場合には、所有権の移転登記、信託の登記を行うことになりますが、所有権の移転登記は非課税、信託の登記については、登録免許税が課税されます。信託設定時には、不動産取得税も課税されません。
固定資産税は、不動産の名義人(受託者)に課されますが、信託財産に関する費用として信託財産の中から支払いますので、受益者が負担することになります。
遺言・相続関連業務
信託商品/活用方法の「遺言信託」ページに詳細を記載しておりますのでご覧ください。
遺言執行業務は、信託銀行が遺言執行者となって財産に関する遺言の内容を実現する業務をいいますが、本業務を取扱う信託銀行では、遺言書の作成段階から遺言者の相談に応じ、遺言書を保管し、遺言執行を引き受けるのが一般的です。
ただし、相続開始時において、遺言執行を遂行することが著しく困難と認められる場合は、遺言執行者への就任を辞退することもあります。
なお、信託銀行等は身分行為に関する遺言執行は行うことができません。
また、信託銀行等では、遺言書の保管だけの取扱もしています。
信託銀行等は、遺言書の当初保管時に取扱手数料を収受し、その後は毎年一定の時期に年1回保管料を収受します。
ただし、取扱手数料及び保管料は信託銀行等によって異なりますので、各信託銀行等にお問い合わせください。
信託銀行等の遺産整理業務は、相続の開始後に相続人全員から委任を受け、信託銀行等が代理人となって財産調査、財産目録の作成を行い、「遺産分割協議書」に基づく遺産の分配・債務の支払・相続税の納付等の遺産相続手続を行います。
その他
信託相談所で受付いたします。
個人情報の保護に関する法律に定められております個人情報(氏名、性別、生年月日等個人を識別する情報に限られず、個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関して、事実、判断、評価を表すすべての情報等)、マイナンバーのような個人番号を内容に含むもの(特定個人情報)、特定の個人を識別できないよう加工し、かつ個人情報を復元できないデータ(匿名加工情報といいます)が対象になります。
信託についての「信託銀行とは」ページに詳細を記載しておりますのでご覧ください。
信託についての「信託の担い手」ページに詳細を記載しておりますのでご覧ください。
信託銀行は、受託者として信託財産を、受益者の利益のために管理・運用・処分する信託業務のほか、信託銀行自らの計算で、自らの利益のために預金の受入れ・融資等を行う銀行業務を営んでいます。
前者の経理処理は、信託銀行においてはお客様(他人)のための勘定である「信託勘定」で行い、後者の経理処理は、信託銀行の固有勘定である「銀行勘定」で行います。
信託銀行ではこの両勘定を厳格に区分しています。さらに信託勘定のなかでも、信託契約ごとに分けた経理処理が行われています。
信託財産は、形式上は受託者の名義とし、受託者がその管理者となりますが、信託財産の利益を受けるのは受益者であり、実質的には受益者に帰属する財産です。
したがって、信託財産を信託銀行(受託者)の固有財産(銀行勘定)や他の信託財産と混合して管理することは、お客様(受益者)の利益を害したり、第三者に不測の損害を与えるおそれがあるところから、これを防止し、受益者、第三者の保護を図る必要があります。
このため、信託法(第34条)は信託財産の管理について、受託者に対して信託財産を受託者自身の固有財産や他の信託財産とは分別して、すなわち物理的に分離して保管することを義務(分別管理義務)づけています。
ただし、信託財産に属する金銭について分別管理義務の例外を定めています。すなわち、信託財産に属する金銭については、それぞれの信託財産ごとにその計算を明らかにすれば、合同して管理できる旨を定めています。これは、金銭は本来、価値を表章するものであり、事実上分別管理することは困難かつ無意味であることから認められたものです。
信託銀行等の信託業務についてのトラブルで、原則として、お客様から2ヶ月以上にわたり苦情の解決が図られていないとするお申出を受けた場合です。
通信費、交通費などを除き無料です。
信託相談所は信託銀行等の信託業務等に関する相談、苦情等を受け付けておりますが、ご質問のような家族信託(民事信託)は信託銀行等の業者以外の方が受託者として設定されるものですので、信託相談所ではご相談に応じかねます。信託にお詳しい弁護士、司法書士等にご相談ください。
加盟・非加盟にかかわらず、信託銀行・信託会社等の事案について対応いたします。