後見制度支援信託
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こんな方が利用されています
- 後見制度による支援を受けている方
「後見制度支援信託」とは、後見制度による支援を受けている方の財産管理をバックアップする信託です。
概要図
活用事例
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50代 智宏さん一家の場合
80歳になる父が認知症になり、その後見人である智宏さんは、家庭裁判所から「後見制度支援信託」を勧められ、利用について妹の律子と思案中。
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親父が認知症になってから、律子にもいろいろ負担をかけてしまっているね。
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家族だもの、それはかまわないわよ。兄さんが後見人になってくれて、きっとお父さんも安心しているよ。
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そうだと良いな。でも、これからも長期にわたって親父の財産を管理すると思うと、きちんと務めていけるのか、ちょっと不安ではあるけどね。
そう言えば、この前、家庭裁判所から「後見制度支援信託」の利用について検討するように言われたんだ。
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信託って言葉は何となく聞いたことはあるけど、いったいどんなものなのかしら。
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それでは、わしがお教えしよう。信託銀行が後見制度による支援を受けている人の財産の管理を行うのが「後見制度支援信託」じゃ。家庭裁判所の関与のもとで、信託銀行が財産を安全に管理するものなんじゃよ。
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具体的に、この信託ではどんなことができるんでしょうか?
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通常使用しない金銭は信託銀行に信託した上で、生活費など日常的な支出のためのお金については、予め決められた一定の額を、定期的に後見人が管理する口座に振り込むんじゃ。この振込を、どのような頻度で、どれだけの金額にするかといった点は、信託を始める前に、予め家庭裁判所との間で決めておくんじゃ。
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家庭裁判所も関与しているなら安心だね。
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さようじゃ。加えて、急な医療費など、臨時の支出がが必要になった場合には、家庭裁判所から指示書を得て、信託銀行に支払いを請求することができるんじゃ。
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でも、どうして後見制度支援信託が利用されているの?
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後見人は、長期にわたって後見制度による支援を受けている人の財産を管理することが求められるが、後見人は必ずしも財産管理の専門家ではないので大きな負担となる可能性がある。また、多額の金銭管理がともなう場合には、管理方法などをめぐって親族間のトラブルに発展するおそれもある。この信託を使えば、後見人の負担を軽減し、親族間のさまざまなトラブルも未然に防ぐことができるんじゃ。
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信託銀行が、家庭裁判所の関与のもとで財産を管理してくれるなら安心だし、後見人である僕の負担も軽減できるし、とても助かるなぁ。
こうして、智宏さんは、財産管理のための信託を利用することにしました。家族も親族も安心。みんなで仲良くお父さんをサポートしていくそうです。
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ご注意いただきたいこと
- 信託できる財産は、金銭に限られること
- 法定成年後見制度の被保佐人・被補助人の方や、任意後見制度の被後見人の方はご利用いただけないこと
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