受益証券発行信託

まだまだ一般には耳馴染みが薄いかも知れませんが、受益証券発行信託を使えば、どんな資産も有価証券にして、取引や流通しやすくすることができます。

概要

どんな資産も有価証券に

受益証券発行信託

受益証券発行信託とは、「受益権を表示する有価証券(受益証券)を発行する信託」です。
と言っても難しいですよね?簡単に言えば、どんな財産も、信託して「受益証券」という有価証券にすることによって、取引や流通しやすくするといったものです。

例えば、外国で発行された株式を日本の信託銀行等で受益証券発行信託として設定し、そこで発行された受益証券を証券取引所に上場すれば、日本で売買しやすくなります。投資家からすれば、海外の企業の株式を日本の証券取引所の中で購入でき、また、海外の企業からすれば、日本の市場で資金調達することができるといったメリットが挙げられます。

色々な商品で利用されています

受益証券発行信託を用いた金融商品には、次のようなものがあります。もちろん、個人投資家が購入することができる商品もあります。

  • 海外の企業の株式を国内で流通可能な有価証券にする「日本型預託証券」
  • 貴金属等を信託財産とする「内国商品現物型ETF」
  • ETN(指数連動証券)やETF(上場投資信託)を信託財産とする有価証券信託受益証券

金などの貴金属も受益証券=有価証券に

金の現物を購入すると、当然、盗難のリスクがあったり、保管を誰かに頼めば、その費用も必要になります。また、売却する際には鑑定も必要となるなど、色々と手間もかかります。
対して、金などの貴金属を信託財産とした受益証券発行信託の受益証券を購入すると、実質的には金などの貴金属を購入したことと変わりませんが、実際には受益証券という有価証券を購入・保有していることになるので、実質的に保有している貴金属を移動させることなく、売買と同じ効果を持たせることができます。

仕組み

*ここでは、金・銀・パラジウムなどの貴金属を信託する受益証券発行信託をご紹介します。

主な関係者

  • 委託者
    貴金属を保有する商社
  • 受益者
    投資家
  • 受託者
    信託銀行等
  • 販売会社
    証券会社等

1商社[委託者]は、金や銀などの貴金属を信託銀行等に信託します(つまり、信託銀行等[受託者]に金や銀などの貴金属を預けます)。

2信託銀行等[受託者]は、受益証券を発行し、金融商品取引所に上場します。

3投資家[受益者]は、証券会社等[販売会社]を通じて、受益証券を購入します。

よくあるご質問

どうして受益証券発行信託が使われているのですか?

貴金属などをその現物よりも流動性が高い信託の受益証券として有価証券化することによって、換金性が高く売買しやすくなります。
また、このように有価証券化するものは、証券取引所や商品取引所に上場しているものであれば、よりその価値は算定しやすく、流動性、つまり換金性が高い金融商品とすることができます。
また、例えば、外国の株式を信託財産とする受益証券発行信託の場合を考えると、投資家からすれば、海外の企業の株式を日本の証券取引所の中で購入でき、また、海外の企業からすれば、日本の市場で資金調達することができるといったメリットが挙げられます。

誰でも購入することができますか?

個人・法人を問わず、どなたでもご購入いただくことができます。

受益証券発行信託はどうやって購入するのですか?

受益証券発行信託は証券会社等で購入することができます。

いくらから購入できるのですか?また、どのような費用がかかりますか?

商品によって異なりますので、ご関心のある方は、信託銀行、あるいは証券会社などの販売会社にお問い合わせください。

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