金融商品取引法と信託

金融商品取引法(以下「金商法」という。)は、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、「貯蓄から投資」に向けての市場機能の確保等のため、証券取引法を改組することにより、金融商品を横断的に規制する法律として、平成18年6月7日に国会で成立し、平成19年9月30日に施行されています。金商法における信託の位置付けについて概観すると次のとおりです。

1.特定信託契約

信託の引受けを行う業務は「信託業」として信託業法が適用されますが、利用者保護ルールの徹底を図る観点から、同じ経済的性質を有する金融商品には同じルールを適用するという考え方の下、投資性の強い信託の引受けについては、「特定信託契約」として金商法の規制と同等性が確保されています。この「特定信託契約」は「金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動により信託の元本について損失が生じるおそれがある信託契約として内閣府令で定めるもの」と定義されています。

2.信託受益権のみなし有価証券化

投資信託、貸付信託および特定目的信託に加えて、受益証券発行信託の受益証券も金商法上の有価証券とされました。また、その他の信託受益権についても有価証券とみなして取り扱われることになりました。

3.信託受益権の売買等に関する規制

信託受益権の「販売又はその代理若しくは媒介」はこれまで信託受益権販売業として信託業法により規制されていましたが、信託受益権のみなし有価証券化により、金融商品取引業として金商法により規制されることとなります。これに伴い、信託業法の信託受益権販売業者に関する条文はすべて削除されました。

4.信託契約代理店

信託受益権のみなし有価証券化により、信託の受託者のみがその「発行者」となる場合、従来の信託契約代理店が行う信託契約の締結の代理または媒介は、有価証券の発行者のために有価証券の取得の申込みの勧誘等を行う行為となり、有価証券の募集(私募)の取扱いと位置付けられ、第二種金融商品取引業としての登録が必要となります。

一方、委託者が信託受益権の「発行者」とされる信託について信託会社のために行う信託契約の締結の代理または媒介については、引き続き信託業法上の「信託契約代理業」として規制されることとなります。

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