第86回信託大会(所信)

※第86回信託大会は、東日本大震災の影響等を勘案し、中止とさせていただきました。
   なお、ご参考までに、大会当日配布を予定しておりました所信を以下のとおり掲載いたします。

平成23年4月18日

所信

〜「信託」を国民に近づけるために〜

これまで信託制度は、わが国社会経済の重要なインフラとして発展を続けており、今や信託財産総額は800兆円に迫る規模にまで拡大している。日本に近代信託が誕生してから80年以上が経過した今もなお、社会経済の成長・発展に対する貢献度、期待感はいっそう増してきている。

1.信託機能の発揮による社会の要請に対する適切な対応

これまで、加盟会社各社のたゆまぬ努力により、さまざまな信託商品が世に出され、普及してきた。例えば、投資信託や年金信託などは、財産の管理や運用において、もはや国民の生活には欠かせないインフラとして定着している一方、排出権信託や担保権信託など、社会が直面する問題を幅広く解決できる新たな枠組みとしても活用され始めている。
 特に最近は、安全・確実な財産管理制度としての信託に対する期待度・注目度が飛躍的に高まっており、これら社会からの要請に対し、適切な商品・サービスを提供し、信託のプレゼンス向上に努力していく。
 なお来年3月には、昭和37年以来、企業年金の根幹的役割を担ってきた適格退職年金制度の廃止を迎えるが、新たな制度への円滑な移行に向け全力で支援していく。

2.経済・社会の活性化に貢献できる新たな信託ビジネスの創出

信託は、担い手が高度な専門性を発揮し、創意工夫に果敢に挑戦することによって、経済・社会の活性化にまだまだ貢献できる可能性を秘めている。各社が信託の利用可能性を強く自覚し、創造力を発揮しつつ切磋琢磨を重ねることによって、新ビジネスを作り出すことが可能である。
 国民の期待・ニーズを的確に把握し受け入れるために広く耳を傾けるとともに、それに応えられるよう、規制改革や税制改正等の要望・提言を積極的に行っていく。また、新たな信託商品の発想につながる調査・研究を強化していく。
 こうして新ビジネス創出のための環境・インフラづくりに努めることにより、信託制度が広く国民に認知され、誰もが信託の存在意義を実感できるよう、まさに「信託」と国民を近づけていく努力を重ねてまいりたい。

3.信託に対する信頼の確保

信託は、まさに「信じて託す」ということである。それは信託法における受託者の誠実義務や受益者の権利という規律に裏付されており、受託者がその義務を果たし、受益者がその権利を機動的に行使できるよう、信託が利用される場面において、それぞれのスキームに応じたさまざまな仕掛けが講じられている。
 今後も、高いコンプライアンス意識のもと、受託者としての責務を果たしていくことを強く肝に銘じる必要がある。そのためにも、各担い手に対して厳格な信託業務運営を働きかけていくことにより、長年培った信頼確保のための仕組みを守っていく所存である。
 新たに発足した金融ADR制度にも適切に対応することで、誰もが信託を安心して利用できるよう、信託の健全な発展に努力していく。

以上

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